3月4日は「バウムクーヘンの日」―幸せを重ねるドイツ生まれの年輪ケーキ
毎年3月4日は「バウムクーヘンの日」。ドイツの伝統菓子であるバウムクーヘンは、日本でも人気の高いスイーツのひとつです。見た目の美しさと味わいの上品さ、そして「幸せが長く続く」という意味を込めた形状から、結婚式や贈り物にも多く選ばれています。この記事では、バウムクーヘンの日の由来や誕生の歴史、そして日本で愛され続ける理由について詳しく紹介します。
バウムクーヘンの日の由来
1919年（大正8年）の3月4日、広島県物産陳列館（現在の原爆ドーム）で行われた「ドイツ俘虜展示即売会」において、ドイツ人菓子職人のカール・ユーハイム氏がドイツの伝統菓子「バウムクーヘン」を出品しました。これが日本で初めてバウムクーヘンが焼かれた歴史的な日とされています。
この出来事を記念し、兵庫県神戸市中央区に本社を構える「株式会社ユーハイム」が2010年（平成22年）に3月4日を「バウムクーヘンの日」と制定しました。ユーハイムは、日本で初めて本格的にバウムクーヘンを販売した老舗洋菓子メーカーであり、今日もなお多くの人々に愛されています。
バウムクーヘンの意味と名前の由来
「バウムクーヘン（Baumkuchen）」はドイツ語で、「Baum＝木」「Kuchen＝ケーキ」を意味します。切り口がまるで木の年輪のように見えることから、この名前がつけられました。
その年輪模様は、職人が一本の芯に生地を何層にも重ねて焼き上げていくことで生まれます。1層、1層、丁寧に重ねる工程は「幸せが何層にも続きますように」という願いを象徴し、結婚式の引き出物やお祝いの品として特に人気があります。
カール・ユーハイムが日本にもたらした伝統
第一次世界大戦中、カール・ユーハイム氏は日本に抑留されていたドイツ人捕虜の一人でした。彼は異国の地・広島で、自国の伝統菓子を焼き上げることで文化交流のきっかけを作りました。展示即売会で披露されたバウムクーヘンは当時の日本人に大きな衝撃を与え、その味わいと見た目の美しさが話題になったといわれています。
戦後、ユーハイム氏は神戸で洋菓子店を開業。日本初のバウムクーヘン専門店としての礎を築き、現在の「ユーハイム」ブランドへと受け継がれていきました。ドイツの伝統を日本に根付かせた功績は、まさに文化の架け橋と言えるでしょう。
バウムクーヘンが「幸せの象徴」とされる理由
バウムクーヘンが単なるお菓子ではなく、「幸せを呼ぶスイーツ」として愛される理由は、その形状と製法にあります。中央に穴があり、何層にも重なった断面は「途切れないご縁・長寿・繁栄」を象徴すると言われています。
特に結婚式では「二人の幸せがいつまでも続きますように」という意味を込めて引き出物に選ばれることが多く、企業や家庭での記念日ギフトとしても人気が高いスイーツです。
日本各地で広がる“バウムクーヘン文化”
現在では、全国各地に個性豊かなバウムクーヘンが存在します。ユーハイムをはじめ、クラブハリエやねんりん家などのブランドも登場し、それぞれが独自の食感や風味を追求しています。しっとり派、ふわふわ派、外はサクッと中はやわらか、など好みに合わせて選べるのも魅力です。
また、地域の素材を活かした「ご当地バウム」も人気。北海道のミルクバウム、静岡の抹茶バウム、沖縄の黒糖バウムなど、全国各地でその土地ならではの味わいが楽しめます。
3月4日はバウムクーヘンを楽しもう
バウムクーヘンの日は、ただお菓子を食べるだけでなく、「人と人との絆を感じる日」でもあります。長い歴史を経て日本に根付き、今や贈り物の定番となったこのお菓子を味わうことで、幸せの輪を広げていきましょう。
3月4日はぜひ、家族や友人、大切な人と一緒にバウムクーヘンを楽しんでみてください。そのひと口が、きっとあなたの笑顔をひとつ重ねてくれるはずです。
年輪に込められた「続く幸せ」のメッセージ
- 1919年3月4日、広島で日本初のバウムクーヘンが焼かれた
- 2010年、ユーハイムが「バウムクーヘンの日」を制定
- 年輪模様は「幸せの連続・ご縁・長寿」の象徴
- ドイツと日本をつなぐお菓子として文化的にも意義深い
バウムクーヘンの日＝幸せを重ねる日。 あなたも今年の3月4日、年輪のように続く幸せを味わってみませんか？
