「規模縮小」という名のリストラ──終わりの見えない不安と怒りの中で

我が部署で再び「規模縮小」の噂。半年ごとのリストラに怯える社員たち。不安と怒りの中で見えてきた会社の本音とは。
「またウチの部署が縮小になるらしい」――その一言が社内をざわつかせた。
昨年末の2020年12月、そして年明けの2021年1月。わが部署は“規模縮小”という名のもとに、多くの仲間が去っていった。まず、派遣社員の方々がゴッソリと契約更新されず、男も女も関係なく次々と姿を消していった。
でも誰も「リストラ」とは言わない。会社はあくまで“部署の整理”“体制の見直し”とだけ説明する。まるで言葉のマジックのように、やさしく装った言葉で現実をすり替えているだけだ。
半年ごとに繰り返される縮小──「なぜウチの部署だけ?」
そして、また噂が立った。
「9月に我が部署でまた縮小があるらしい」と。
なぜ? どうして? 半年ごとに人を削っていく意味がどこにあるのか。
しかも、不思議なことに隣の部署では新しい契約社員が10名も入社し、研修が始まっている。笑顔で研修を受ける彼らを横目に、こちらの部署は沈黙と不安に包まれている。
これでは、縮小というより“部署ごと無くしたい”としか思えない。
誰に聞いても明確な理由は教えてもらえない。
上司に聞いても「まだ正式な発表はない」「詳細は私たちも聞かされていない」と、歯切れの悪い言葉ばかり。会社が何を考えているのか、社員の誰にも分からない。
まるで、静かに沈んでいく船の上に立たされているような感覚だ。
理由を教えてくれない会社に、信頼は残るのか
コロナの影響? 景気の問題? それとも単純に経費削減?
理由がわからないからこそ、余計に怖い。
正社員も、契約社員も、派遣社員も、みんなが同じように怯えている。
私たちは、ただ「仕事を頑張りたい」だけだ。
与えられた業務をこなし、真面目に成果を出してきた。
それなのに、努力の結果が「縮小」という二文字で打ち消される。
“必要とされない部署”というレッテルを貼られ、言いようのない悔しさが込み上げてくる。
社内チャットでは、みんなが小さな声で不安を漏らす。
「次は自分かもしれない」「家のローンどうしよう」「子どもの学費が・・・」
この現実に、笑ってなんかいられない。
「年末までもつか」──転職活動を始める仲間たち
誰もが口にしはじめた言葉がある。
「年末までもてばいいほうだよね」
悲しいけれど、これが現実。
もはや、部署としての存続自体が危うい。
だからこそ、社員たちは動きはじめた。
LinkedInや転職サイトに登録し、履歴書を更新し、静かに次のステージを探している。
私も、その一人だ。
もう「様子を見る」だけの時間はない。
半年ごとに削られる現実を目の当たりにして、ようやく腹が決まった。
誰かが守ってくれるわけではない。自分の人生は、自分で守るしかない。
部署の灯が消える前に、私たちは新しい場所で再び光を見つけるしかないのだ。
「縮小」という言葉に怯える毎日から、一歩抜け出すために。
✅ まとめ
「規模縮小」という名のリストラは、もはや特別な出来事ではなくなってしまった。
けれど、そこにいる人たちの悲しみと不安、そして怒りは決して軽くない。
会社の都合で振り回されるだけの人生で終わらせないためにも、今こそ自分の働き方を見直すときだ。
未来を会社に委ねるのではなく、自分の意思で選び取る。その決意が、次の人生を動かす力になる。


