スクエニ221億円特別損失の真相|ドラクエ12と今後のゲーム戦略はどうなる

社会・経済

2024年4月30日、ゲーム業界に大きな衝撃が走りました。
スクウェア・エニックス・ホールディングス(通称スクエニ)が、2024年3月期決算において約221億円もの特別損失を計上すると発表したからです。

このニュースを目にして、「経営は大丈夫なのか?」「あのタイトルはどうなる?」と感じた人も多いはずです。とりわけ、長らく続報が途絶えている「ドラクエ12」への影響は、多くのファンが最も気にしている点でしょう。

この特別損失の背景を整理しつつ、ドラクエ12の現状、そしてスクエニ全体の今後の戦略について、事実を踏まえながらも率直な視点で掘り下げていきます。

スクエニが計上した221億円の特別損失とは何か

今回発表された特別損失221億円は、「売上が落ちたから赤字になった」という単純な話ではありません。
スク発表によれば、進行中だった複数のゲーム開発プロジェクトを中止し、それまでに投じてきた開発費を損失として一括計上した、という性質のものです。

ゲーム開発は、企画立案から完成まで数年単位の時間と莫大なコストがかかります。途中で「このまま出しても市場で勝てない」「ブランド価値を下げる恐れがある」と判断すれば、完成を待たずに中止する決断が下されることも珍しくありません。

今回の損失は、まさに将来を見据えた“痛みを伴う整理といえるでしょう。短期的には大きな金額が目立ちますが、裏を返せば「出すべきでないタイトルを無理に世に出さない」という判断でもあります。

ドラゴンクエストXIIは中止されるのか?

特別損失の発表で、多くの人が真っ先に思い浮かべたのが、
ドラゴンクエストXII 選ばれし運命の炎
の存在ではないでしょうか。

結論から言えば、現時点でドラクエ12が中止されるという公式情報は一切ありません
むしろ、スクエニにとってドラゴンクエストシリーズは、日本市場における最大級のIPであり、簡単に手放す理由が見当たりません。

ただし、気になる点がないわけではありません。
発表から時間が経過しているにもかかわらず、新情報がほとんど出ていないこと。そして、シリーズの象徴的存在であった、鳥山明氏、すぎやまこういち氏がすでに故人であることです。

この事実は、ドラクエ12が「単なる続編」ではなく、シリーズの区切りや転換点として制作されている可能性を感じさせます。開発が慎重になるのも、ある意味では当然でしょう。

ドラクエ以降とファイナルファンタジーの立ち位置

ドラクエシリーズが日本市場を強く意識したIPである一方、
FINAL FANTASY
シリーズは、明確にグローバル市場を主戦場としています。

スクエニが掲げる「開発リソースの選択と集中」という方針を考えると、世界市場で安定した売上が見込めるFFシリーズへの注力は、今後さらに強まる可能性があります。

一方で、ドラクエは「国内では圧倒的だが、海外では限定的」という特性を持つタイトルです。そのため、ドラクエ12を一区切りとして、シリーズのあり方が見直される可能性は十分に考えられます。

これは「切り捨て」ではなく、「どう残すか」という議論です。ブランドを守るために、あえて頻度を落とす、あるいは形を変える。そんな選択肢も、現実味を帯びてきています。

特別損失発表後のスクエニ株の動きが示すもの

興味深いのは、市場の反応です。
4月30日の発表後、翌5月1日の株式市場では、スクエニ株は前日終値5718円から一時6012円まで上昇しました。

通常であれば、200億円超の損失計上はネガティブ材料として受け取られがちです。しかし、投資家は今回の発表を「経営の立て直し」「無駄な開発を切る決断」と前向きに評価したと考えられます。

つまり、市場は「過去の失敗」よりも、「これから何を選び、どこに集中するのか」に注目しているのです。この反応を見る限り、スクエニの経営基盤が揺らいでいるとは言い難いでしょう。

まとめ

今回のスクエニ221億円特別損失は、確かに数字だけを見ると衝撃的です。しかしその内実は、将来を見据えた戦略的な整理であり、悲観一色で語る話ではありません。

ドラクエ12についても、中止を示す事実はなく、むしろシリーズの重みゆえに慎重に進められていると考える方が自然です。

ゲーム業界全体が変化する中で、スクエニがどのIPをどう育て、どこに集中するのか。その選択の結果が、数年後に評価されることになるでしょう。今回の発表は、その“分岐点”を示す出来事だったのかもしれません。

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