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『読むだけで一生お金に困らない メンタルブロック浄化法』レビュー|お金への思い込みを見直す一冊
「もっとお金が欲しい」「できればお金の心配をせずに暮らしたい」。
そう考えたことがある人は、決して少なくないでしょう。しかし現実には、お金を求めながらも「自分には無理だ」「もっと働かなければ増えない」「お金持ちは特別な人だけ」といった考えを無意識のうちに抱えていることがあります。
Jeg著『読むだけで一生お金に困らない メンタルブロック浄化法【対話版】』は、こうした「お金に対する無意識の思い込み=メンタルブロック」に注目した一冊です。
タイトルだけを見ると、いわゆる「引き寄せ」やスピリチュアル系の本を想像する人もいるでしょう。実際、本書では潜在意識や引き寄せの法則にも触れています。しかし中心にあるのは、「願えば突然お金が降ってくる」という話ではありません。
お金を欲しいと思う自分と、実際にお金を得るための行動との間にある「思考」を見直す。ここが本書を読む上で重要なポイントです。
お金が欲しいのに、お金から遠ざかってしまうのはなぜか
本書の出発点となっているのは非常にシンプルな疑問です。
多くの人がお金を欲しいと思っている。それなのに、実際には「お金が足りない」「もっと収入が必要だ」と感じながら生活している人が多い。このギャップはなぜ生まれるのか、という問題です。
景気、物価、賃金、雇用、税金など、お金を取り巻く外部環境は当然無視できません。しかし本書では、それとは別に「本人がお金というものをどう認識しているのか」という内面的な部分へ目を向けます。
たとえば、頭では「お金持ちになりたい」と思っていながら、心のどこかで、
「お金持ちは欲深い」
「楽をして稼ぐのは悪いことだ」
「自分には大金を扱う能力がない」
「お金を稼ぐには苦労しなければならない」
と考えていたとしたらどうでしょうか。
表面上の願望と、心の奥にある価値観が矛盾することになります。
「お金が欲しい」という願望と、心の奥にある価値観が食い違うような状態を考えるうえでは、認知的不協和とは?ルール未達でも頑張った時のモヤモヤの正体と対処法も参考になります。
本書でいう「メンタルブロック」とは、まさにこうした無意識の抵抗として捉えることができます。
メンタルブロックとは「自分でも気づいていない制限」
メンタルブロックという言葉は、自己啓発やスピリチュアルの世界では頻繁に使われます。
難しく考える必要はありません。簡単に言えば、「自分で自分に設定してしまっている心理的な制限」です。
人間は、これまでの経験、家庭環境、教育、周囲の発言、成功や失敗などから、さまざまな価値観を形成していきます。
その中には、自分にとって有益なものもあれば、現在の自分には必要なくなっているものもあります。
ところが、長年持ち続けた価値観ほど本人にとっては「当たり前」になっているため、自分がその考えに縛られていること自体に気づきにくい。
ここが厄介なところです。
本書では、顕在意識と潜在意識という考え方を使いながら、この構造を説明していきます。
潜在意識の話を「対話形式」で理解できるのが特徴
本書の大きな特徴の一つが対話形式で進んでいくことです。
目次の最初が「ある青年とカウンセラーの対話」になっており、そこからメンタルブロック、潜在意識と顕在意識、浄化法、マインドセットへと話が展開していきます。
潜在意識というテーマは、説明の仕方によっては非常に抽象的になります。
「潜在意識を書き換える」
「思考が現実を作る」
「引き寄せる」
こうした言葉だけを並べられても、「結局どういうことなのか?」と感じてしまう人もいるでしょう。
その点、登場人物同士のやり取りを通じて説明していく形式は、一般的な解説書よりも内容を追いやすいという利点があります。
理屈を一方的に説明されるのではなく、疑問を持つ側と答える側の会話として進むため、自分自身が質問しているような感覚で読み進められるのです。
面倒な「潜在意識ワーク」を大量に要求しない
個人的に本書で興味深いと感じる部分が、実践方法に対する考え方です。
自己啓発本では、
「毎朝これを書きましょう」
「毎日100回唱えましょう」
「ノートを作りましょう」
「自分の感情を毎日観察しましょう」
といったワークが大量に登場することがあります。
もちろん、それによって効果を感じる人もいるでしょう。
しかし問題は続かなければ意味がないということです。
最初の数日は熱心に取り組んでも、そのうち面倒になり、やがて本そのものを開かなくなる。自己啓発系の方法論ではよく起こるパターンです。
本書では、そうした実践のハードルを高くしすぎることに対して否定的な姿勢を取っています。
「どんなに優れた方法でも、継続できなければ意味がない」という考え方は、かなり現実的です。
ただ、実際に本書を読んでみて、私自身が難しいと感じた部分もあります。
顕在意識と潜在意識のギャップを埋めるという考え方には納得できました。しかし、その解決策として提示される「潜在意識を書き換える」こと自体が、決して簡単ではないとも感じました。
頭では「お金を稼ぎたい」「もっと豊かになりたい」と理解していても、長年かけて身についた思い込みや感覚を意識的に変えるのは容易ではありません。本書の理屈は理解できても、それを自分自身の内面で実際に変化させられるかどうかは、また別の難しさがあると感じます。
「思考を変える」とは、何もしなくてもお金が入るという意味ではない
ここは本書を読む際に、特に切り分けて考えたいポイントです。
潜在意識や引き寄せという言葉が出てくると、「考えているだけで現実が変化する」というイメージを持つ人もいます。
しかし、本書の紹介で明確にされているのは、「何もしなくても勝手にお金が舞い込むという話ではない」ということです。
これは非常に重要です。
心理状態が変化すると、判断が変わることがあります。
判断が変われば、選択する仕事、学ぶこと、人との付き合い方、お金の使い方、投資する時間、挑戦するか諦めるかといった行動も変わります。
つまり、
思考 → 判断 → 行動 → 結果
という流れで考えるのであれば、「お金に対する考え方を変えることが結果に影響する」という主張には理解しやすい部分があります。
たとえば「自分には稼げない」と信じている人と、「今は稼げていないが方法を探せば可能性はある」と考える人では、その後に取る行動が違ってくるでしょう。
こうした「自分にもできるかもしれない」という感覚は心理学でいう自己効力感とも深く関係します。詳しくは自己効力感とは?「どうせ無理」を変える心理学と高め方で解説しています。
この意味において、メンタルブロックを見直すことは単なる精神論ではなく、行動の選択肢を増やす作業とも考えられます。
「お金=悪いもの」という無意識の価値観に気づくきっかけになる
お金に関する価値観は、その人が考えている以上に深く染みついていることがあります。
日本では特に、お金について積極的に話すことを避ける文化もあります。
「お金の話ばかりする人は品がない」
「儲けようとするのは欲深い」
「好きなことで稼ぐのは甘い」
こうした価値観を持ちながら、一方では「もっと収入が欲しい」と考えていると、本人の中に矛盾が生まれます。
本書の価値は、単に「お金を引き寄せよう」と考えることよりも、まず自分がお金に対して何を信じているのかを見直すきっかけを与えてくれるところにあるのではないでしょうか。
「誰でも必ず」「読むだけで」という部分は冷静に受け止めたい
一方で、レビューとして触れておきたい点もあります。
本書では「誰しも」「必ず」「読むだけで」と非常に強い表現が使われています。
これは読者の興味を強く引く言葉ですが、本を読んだからといって将来の経済状態が保証されるわけではありません。
収入には職業、能力、健康、景気、家庭環境、資産状況、運など、非常に多くの要因が関係します。
また、「潜在意識を書き換えれば必ず豊かになれる」という考え方についても、科学的に保証された法則として受け取るべきではないでしょう。
だからこそ、本書は「人生を自動的に変えてくれる魔法の本」ではなく、自分のお金に対する思考パターンを点検するための本として読むのが適切だと思います。
その読み方をすれば、かなり面白いテーマを扱っている一冊です。
こんな人には特に読みやすい
本書は特に、次のような人とは相性が良いでしょう。
・収入を増やしたいが、なぜか行動に移せない人
・お金について考えると罪悪感や不安を感じる人
・自己啓発本を読んでもワークが続かなかった人
・潜在意識や引き寄せの法則に興味がある人
・「自分には無理」という思考を変えたい人
・お金と心理の関係について考えてみたい人
反対に、経済学、投資、節税、副業方法など、具体的なお金の増やし方だけを知りたい人が求めている内容とは少し異なります。
本書のテーマは、「どう稼ぐのか」の前に存在する「自分はお金をどう捉えているのか」という部分だからです。
本書が気になった方はこちらから確認できます。

読むだけで一生お金に困らない メンタルブロック浄化法【対話版】: どんな願いも必ず叶う最短最善の潜在意識書き換え手引き
まとめ|お金そのものより「お金をどう考えているか」を見直す本
『読むだけで一生お金に困らない メンタルブロック浄化法【対話版】』は、一見すると「お金を引き寄せるためのスピリチュアル本」に見えるかもしれません。
しかし、その中心にあるテーマを整理してみると、もっと現実的な問いが浮かんできます。
「自分は本当にお金を欲しいと思っているのか。それとも、無意識ではお金を遠ざけるような価値観を持っているのか」
この問いは、収入の多い少ないにかかわらず、一度考えてみる価値があります。
お金に対する思い込みが変わっただけで、翌日に銀行口座の残高が増えるわけではありません。
しかし、考え方が変われば、これまで避けていた選択肢に目を向けたり、失敗を過度に恐れず行動したり、自分の能力や仕事の価値を以前とは違った角度から評価できる可能性があります。
「お金を増やすテクニック」ではなく、「お金を受け取る自分の側に何らかの心理的な抵抗がないか」を点検する。
そこに本書の面白さがあります。
潜在意識や引き寄せというテーマに抵抗がある人でも、すべてを文字どおり信じる必要はありません。心理的な思い込みを見つけるための一つの考え方として読めば、十分に得るものがあります。
「もっとお金が欲しい」と思いながら、なぜか収入を増やすための一歩を踏み出せない。
そんな人にとって本書は、具体的な稼ぎ方を学ぶ前に自分自身のお金に対する前提条件を見直すきっかけになる一冊と言えるでしょう。
思考のクセや心理、行動を変える考え方についてさらに知りたい方は、心理学と自己啓発を総まとめ|思考・行動・習慣を変える全体像を解説もあわせてご覧ください。


